KING SUPER LIVE 2017 TRINITYオフィシャルレポート
3月5日、東京・日本武道館にて「KING SUPER LIVE 2017 TRINITY」が開催。
出演者は上坂すみれ、水瀬いのり、小倉唯の3人。来場者は約9,000人となった。
オープニングムービーに続き、トップバッターの上坂がステージに姿を見せると、
会場は彼女のイメージカラーである赤のサイリウムに染まり、割れんばかりの大声援が巻き起こった。
1曲目は「Inner Urge」。
生バンド用にアレンジされたきらびやかなディスコサウンドと「SOX」コールが気分を盛り上げ、会場の空気が一気に熱を帯びていった。
上坂は「閻魔大王に訊いてごらん」、「♡をつければかわいかろう」とエッジの効いた楽曲を立て続けに披露し、
怒濤のコール&レスポンスで最初のMCへ。
会場の熱気に驚きを見せながら、小倉、水瀬の衣装やコラボ曲などの期待を煽った。
4曲目の「恋する図形(cubic futurismo)では、上坂らしさ全開のアヴァンギャルドな世界を表現。
さらに、コール&レスポンスが楽しい「文豪でGO!」では、ひたすら文豪の名前と出版業界用語を繰り返し、
そこに“エアテルミン”も加わって、会場はすっかり上坂すみれワールドに。
とどめを刺すかのように、2度目のMCでは上坂とその同志(ファン)で構成された
「革命的ブロードウェイ主義者同盟」が掲げる「生産!団結!反抑圧!」のスローガンが斉唱され、同志の輪がまたたくまに広がっていった。
そして、デビューシングル「七つの海よりキミの海」を歌い上げ、続く水瀬にバトンタッチ。
水瀬がステージ中央のアーチから登場すると、会場は一瞬にしてテーマカラーである青に染まる。
彼女が最初に歌った曲はデビュー曲「夢のつぼみ」。
疾走感溢れる曲調はバンドサウンドとの相性もばっちりで、会場に清涼感たっぷりの時間を届けてくれた。
「皆さんの声をもっと聞かせてください」という言葉に観客の声援もいっそう大きくなり、その勢いのまま「MELODY FLAG」へ。
観客ひとりひとりの目を見るようにして、精一杯手を振っていたのが印象的だった。
MCを挟んだのち、披露したのは「Starry Wish」。
水瀬、小倉、上坂の3人が初共演を果たしたTVアニメ「ViVid Strike!」のエンディングテーマだ。
水瀬が演じた主人公・フーカさながらに、優しくも力強い歌声で会場を包み込んだ。
「Ring of Smile」については、客席が円形に広がっている武道館にちなんで「笑顔の輪になったような曲」と語り、
自身も満面の笑みを浮かべていた。
2度目のMCでは、4月5日に1stアルバム「Innocent flower」がリリースされることを発表し、そのあとにアルバム収録曲の「春空」を披露。
初披露ながら堂々とした歌唱で、春の爽やかさを表現する。青に染まった客席も相まって、青くきらめく春の空が会場に広がったかのようだった。
そして、ラストを飾るのは「harmony ribbon」。
会場は「la la la la」の大合唱で、最高のハーモニーをつくり出していた。
続く小倉が登場すると、うってかわって会場はピンク一色に。
アッパーチューンの「Honey♥Come!!」でキュートに明るく会場を盛り上げ、観客も大音量の「Honey♥Come!!」コールで応えていた。
2曲目の「Baby Sweet Berry Love」では4人のダンサーが登場。歌だけではなくダンスパフォーマンスでも会場を魅了していった。
MCでは「盛り上がってますね、武道館!」と率直な感想を伝え、観客と同じかそれ以上の喜びをあらわにする。
それもそのはずで、なんと今回が人生初となる生バンドとの共演なのだという。
いつもとは違った迫力にテンション高めの様子を見せ、その勢いのまま次の曲へ。
バンドサウンドが輝くロックナンバー「Future Strike」とデビュー曲「Raise」を熱く歌い上げる。
客席のサイリウムも真っ赤に染まり、会場の気分も高揚していった。
「ガーリッシュエイジ」では再びダンサーが登場し、ダイナミックなダンスで会場中の視線を釘付けにした。
最後となる「ハイタッチ☆メモリー」では、ファンにとっては恒例となっているハイタッチのパフォーマンスもあり、
約9,000人の観客と一緒にハイタッチをしてソロパートを締めくくった。
ここからはコラボレーションコーナーとして、最初に上坂と水瀬が登場。
レーベルの先輩でもある水樹奈々の「STARTING NOW!」を披露した。
上坂がコレット役で出演していた「この美術部には問題がある!」のオープニングテーマであり、サビのコールが心地良い楽曲。
2人とも熱狂の「STARTING NOW!」コールを浴びながら、オリジナルとはひと味違った魅力を表現していた。
続いては小倉、上坂による堀江由衣の代表曲「Love Destiny」。
アッパーな楽曲を立て続けに歌ってきた2人だけに、どこか切なさの漂うこの楽曲は意外性があった。
最後となるのは、水瀬、小倉による水樹奈々の「ETERNAL BLAZE」。
水樹の楽曲の中でも屈指の盛り上がりを見せる楽曲だが、この2人も負けてはいない。
力強いボーカリゼーションでまるで自分のものであるかのように楽曲を吸収し、会場を大いに沸き立たせた。
ラストはついに3人が同じステージに。
MCでは4月からスタート予定の上坂すみれ初のTV冠番組「上坂すみれのやばい○○」(TOKYO MX,BS11)の紹介のほか、
ライブパンフレット撮影の裏話などが語られた。
そして、いよいよ3人でのコラボレーションが実現。
楽曲は「みなみけ」のオープニングテーマ「経験値上昇中☆」だ。
それぞれの異なる個性が混じり合い、
この3人だからこその、この3人でしかできない豊かな音楽が響き渡った。
アンコールの「ハッピー☆マテリアル」でも、
三者三様のパフォーマンスで客席を煽り、「KING SUPER LIVE 2017 TRINITY」を象徴的に彩った。
キングレコードの新世代である上坂、水瀬、小倉の“いま”を切り取りながら、
'00年代以降のアニソンシーンを牽引した楽曲を披露したことで、名実ともにキングレコードの歴史の継承者となった3人。
新たな一歩を刻んだ3人が今後どのような活躍を見せるのか、ますます目が離せない。
セットリスト
- Inner Urge/上坂すみれ
- 閻魔大王に訊いてごらん/上坂すみれ
- ♡をつければかわいかろう/上坂すみれ
- 恋する図形(cubic futurismo) /上坂すみれ
- 文豪でGO!/上坂すみれ
- 七つの海よりキミの海/上坂すみれ
- 夢のつぼみ/水瀬いのり
- MELODY FLAG/水瀬いのり
- Starry Wish/水瀬いのり
- Ring of Smile/水瀬いのり
- 春空/水瀬いのり
- harmony ribbon/水瀬いのり
- Honey♥Come!!/小倉 唯
- Baby Sweet Berry Love/小倉 唯
- Future Strike/小倉 唯
- Raise/小倉 唯
- ガーリッシュエイジ/小倉 唯
- ハイタッチ☆メモリー/小倉 唯
- STARTING NOW!/上坂すみれ×水瀬いのり
- Love Destiny/小倉 唯×上坂すみれ
- ETERNAL BLAZE/水瀬いのり×小倉 唯
- 経験値上昇中☆/上坂すみれ×小倉 唯×水瀬いのり
- ハッピー☆マテリアル/上坂すみれ×小倉 唯×水瀬いのり
Photo:Takahiro Kugino、Terumi Fukano
Text:Daisuke Iwakura